世界に見る「わ」~スペイン編

世界に見る「わ」~スペイン編

食・暮らし・健康・SDGs から見える”わ”<スペイン編>

スペイン、10のこと。

スペイン人にとって、”バル”は生活に欠かせない存在。朝から晩まで気楽に食事を楽しめるコミュニティスペースといった位置づけ。

外食が盛んなスペイン。飲食街が併設されている”市場”は活気があり、一般の人も買い物に来ている様子。

夜9時頃から始まる夕食の時間は、家族や友人と食事を囲むことが多い。歌や踊りで食事の時間が盛り上がることもしばしば。

田舎の方でも日本食レストランがあるほど、日本食は人気。ロール寿司の進化版といった感じのフュージョン料理。

バル巡りは、日本の居酒屋を”はしご”する感覚に近いところがある。美食の街としても人気の北部バスク地方でも、飲み物1杯と2、3品のピンチョス(パンに具材が乗ったおつまみ)を注文して楽しむスタイル。


オリーブオイルとトマトが最も多くの料理に使われている食材。特にオリーブオイルは、塩と同じくらい不可欠な存在。パンにしたたるほど染み込ませて食べたり、料理にもたっぷりと使う。

ぶどうを原料とした飲み物が多く、ワイン生産も盛ん。地域により飲まれているお酒が違っているのも面白いところ。カタルーニャ地方のカヴァ(スパークリングワイン)や、アンダルシア地方のティント・デ・ベラーノ(赤ワインを炭酸水で割った飲み物)、バスク地方のチャコリ(スパークリングワイン)などが人気。

たっぷりのオリーブオイル、魚介類、季節の野菜が多く使われる「地中海食」のひとつとしても注目されている通り、バラエティのとんだ彩り豊かな食卓。

都市部では、環境に配慮した飲食店やスーパーが多く見られ、日常に環境意識が根付いている。

温暖な気候と海や山の幸に恵まれたスペインでは、食材をいかに気軽においしく楽しく食べるかを貪欲に追求してきたのかが見えてくる。


まとめ
スペインでは、家族や友人とのコミュニケーションの中心に食があります。美味しいものを食べて、お酒を飲んで、”その場を存分に楽しもう”という空気感に満ちており、エネルギッシュな中高年層が多いことも印象的でした。その気持ち自体が、心身の健康を保つ秘訣なのかもしれません。日本にも、カジュアルにお酒と料理を楽しむ“居酒屋文化”があります。職場の仲間や友人と飲んで食べて会話を楽しみ、明日の活力へと変えていく。多くの日本人に愛されているコミュニケーションの場です。海外で日本食のイメージを聞くと、「高級」、「敷居が高い」といった答えが返ってくることがほとんどです。これは、日本食を海外に展開してきた企業や個人が作り上げてきた一部のイメージが広がっているに過ぎません。雑多でワイワイ楽しむ“居酒屋”も、日本の素晴らしい食文化のひとつとしてもっと認知を広げていきたいものです。和食がユネスコ文化遺産に登録されて6年が経ちます。世界に伝えたい和食とは何かを、皆で考えていく必要があると考えます。