世界に見る「わ」の考え方

世界に見る「わ」の考え方

フードツーリズムライターのご紹介

たこしほ(料理家・食文化研究家)

宮城県角田市の農家生まれ。慶應義塾大学卒。広告代理店にて地域プロモーション事業に従事後、料理家に転身。素材を生かした料理を得意とし、和食を中心に各国料理を幅広く探求している。季節感や盛り付けの技など、和食そのものの美しさに加え、文化として食の魅力を伝えるべく、現在は、外国人向けに、レシピ開発や動画プロモーション、イベント等を展開している。2020年4月からは東京にある自宅スタジオにて、外国人向けに文化芸術&料理ワークショップを主宰予定。

なんで料理が好きなの・どうやって学んだの?

子供の頃の遊び場は、もっぱら畑や田んぼでした。料理上手な祖母の横で夕飯作りを見ていたことが原点。故郷を離れた大学時代からは、料理本や海外のレシピサイトで新たな料理を学んでは、自宅に友人を呼んでもてなすことが大の趣味に。米国留学時、栄養学やヨガを学んだことをきっかけに、心身の健康と食の関わりに関心を持つようになり、薬膳や精進料理も独学にて学びました。2019年後半は、日本の魅力を再確認するという目的で、世界15カ国を巡りながら、田舎の農家やレストランでの暮らしに入り込むボランティア型の食旅を決行。世界の食を、人、歴史、宗教、気候など、身を持って体験してきました。

多くをインターネットで享受したりできるこの時代に、食はまだ、自分の足を動かし、ワクワクしながら求めに行く対象であり続けています。わたしが、トルコのレジェンドがつくるサバサンドを食べに行ったり、チュニジアの家族の手料理に胸を踊らせたりしたように、そこには作る人や一緒に食べる人がいて、おいしい食事を体に取り込む幸せがあって、それはそれは愛に溢れています。一生のうち、一回でも多く、幸せを感じる食事を取ること。それが心の健康そのものだとわたしは信じています。その瞬間に関わっていきたいから、料理が好きなんだと思います。

たこしほにとっての料理とは?

– 手軽に季節感や“今”を愛でることができるマインドフルな活動
– 言葉を超えて周りの人と喜びや楽しみをシェアできるポジティブな活動
– 食材と食材、料理とお酒やうつわ、料理と音楽、人、空間、時間など、組み合わせを楽しめるクリエイティブな活動

料理を続けて得たことは?

– 家ごはんが一番好きになり、幸せを感じることが多くなりました
– 日本人として生まれ育ったことを誇らしく思うようになりました
– 環境やいきものを思いやる心が養われました
– 美しいもの、本質的なものに敏感になりました

最後に

人生をとても豊かにしてくれている料理。もっとたくさんの人に、料理や食を通じた幸せを感じてもらうために、これからも活動していきたいと思います。

資格 

フードコーディネーター / フードツーリズムマイスター / いけばな草月流1級 / 書道3段

世界の食・暮らし・健康・SDGs から見る”わ”

これから数回にわたって、下記の視点から世界に見る「わ」のポイントを
紹介していきたいと思います。

①食の嗜好性・傾向・トレンド
②買い物・市場
③家族のあり方・食卓の形や会話
④日常における日本食・普及度・トレンド
⑤日本らしさとは
⑥おもしろい食材・調味料・料理
⑦生活や食における健康要素
⑧食において大切にされていること
⑨日常における環境意識
⑩その国の「わ」に関わる感想

みなさんもグローバルな視点で、これからの日本のあり方や、
ニッポンアイデンティティを一緒に考えていきましょう。